Nobuyuki_OSAKI
exhibition cv contact works


Solo Exhibition
大崎のぶゆき 「マルチプル ライティング」/ Nobuyuki OSAKI "Multiple Lighting"
2018年4月21日-5月26日 / April 21-May 26, 2018

YUKA TSURUNO GALLERY

Tue - Thu, Sat, 11am - 6pm; Fri 11am - 8pm 
* Closed on Sunday, Monday, and National holiays
Address :1-33-10-3F Higashi-Shinagawa Shinagawa-ku Tokyo Japan
http://yukatsuruno.com/pressrelease/pr069_multiple_lighting








untitled album photo
C-print, 2017





untitled album photo
1piece: 8.6×5.5cm (film size) /29×39cm (flame size)
instax film, plywood, flame
2016


これまでも僕がいる環境や状況からアイデアや思考が転がっていくことが多い。2013年-2015年に発表した<Trace Trip, Time capsule>は友人や知人へのインタビューや昔の写真や記憶を元に、現地へ旅に訪れたり、イメージを引用したりしながら記憶を「トレース」しつつも実際は不確かな記憶によって変質する物語を新たな物語として再構築するという方法で制作された作品ですが、この作品は僕が名古屋と大阪を拠点として活動する中で、震災を機に自身と密接に関係のある中部と関西で予見されている「東南海地震」について改めて考えさせられ、本作品の制作にいたったものでありました。太刀打ちのできないカタストロフをまざまざと見せられた震災の記憶から私はこの予見に対して非常に強い危機感をもって感じています。もしかしたら起こるかもしれない未来のために自身の周りの「記憶」を制作し、震災復興の中で再構築していく記憶のメタファーとして提示するすることでこの問題や事象について考えようと試みた作品です。

この作品と並行して展開することになった<untitled album photo>は、1プロジェクトを一人の人間の記憶をトレースする作品として展開した前述の<trace trip, time capsule>とは異なり、自身の周りの記録を一冊のアルバムにまとめるように、私の周りにいる人たちや関係する場所など複数の記憶を集めていく試みとして取り組んでいます。

<untitled album photo (at Aichi University of the Arts)>は、2016年愛知県立芸術大学の記念事業への出品依頼からこの場所から生まれる記憶をモチーフとして構想、出発した作品です。しかしながら、関西で活動してきた僕にとっては大学や人のことも何も知らない状況で、現在においてもあまり僕自身はこの場所についてよく知らない。そのようなことから、学校に残っている記録や、在籍する学生達に協力してもらって彼らのスナップ写真などを提供してもらう事から始まりました。
それぞれの部署にあった昔の写真は、現在の風景と全く異なった風景が広がっており、また愛知芸大は日本伝統とモダニズム建築の融合を図った吉村順三設計による建築で、残っている設計図面から何気なく使っている椅子や机は吉村が大学のためにだけ設計した家具類であったりと個人的に様々な発見がありました。過去と現在の人々の記憶をごちゃ混ぜにしながら場所というカテゴリーでフォーマットする、当初このように過去から現在の一つのアルバムとして制作しようと考えていましたが、現在の時間軸でしか知らない僕自身は驚きと共になぜか過去の自分tの記憶と繋がる感覚を覚えました。おそらくは知識や経験からくる共鳴であると思いますが、この自身の記憶を呼び覚ますように感じることついて、海外での個展の際に、日本人のプライベートな過去をトレースした< Trace Trip, Time capsule >を見たドイツ人が「懐かしい」と僕に伝えてきたように、今いる場所の過去に接続して時間や場所が異なる時空に繋がていくように感じました。

今回の個展では、これらの作品と共に引き続き展開する<untaitled album photo>や「見えない絵画」である<不可視/可視/未可視>を展示しつつ、これまでの制作に対する思考を反芻した「過去/現在/未来」という概念から世界について問いかけようと考えています。過去も現在も未来もパラレルにあって、ひょっとすると隣に未来と過去とが繋がっているのかもしれない。過去から未来が作られるだけではなく、未来が過去を変えていく。時間や記憶をモチーフに、変化する流動的な「過去/現在/未来」の可能性を示唆したいと考えています。

 


不可視/可視/未可視  2015
Vaseline, Fingerprint, Chalk grounded canvas
Aluminum powder, Hand cream, Fingerprint, Paperback ("Das Schloss" by Franz Kafka)