Nobuyuki_OSAKI
exhibition cv contact works

-Press Release


Solo Exhibition
「不可視とは可視であり、ただ未可視なだけ」
大﨑のぶゆき
2020年8月18日 [火] - 9月5日[土] | 13:00~19:00
ガレリア フィナルテ




《 不可視/可視/未可視 (No images) 》パネル、キャンバス、白亜地、エマルジョン|2015



 今年の二月か三月だったか、展覧会のお話を頂いた。 ちょうど新型コロナウイルスが世間を騒がし始めた頃だが、来年はできないので、少し急だが八月なら出来そうだと返事をする。 しかし、事態はどんどん悪化し、世界中でコロナウイルスが蔓延していく。 僕の予定は未定になり、計画していた展示のための海外渡航も中止や内容変更を強いられ、気分転換に外出しようにもステイホームという状況だ。 このどうしようもないストレスからか、全くなんともどんよりとした気持ちで、しばらくは何もやる気が起きなくなってしまった。

 こんなコロナ禍での展覧会になったので、当初予定していたプランをやめて《Display of surface (2004〜)》や《不可視/可視/未可視 (2015〜)》など「見えない」作品から構成する展覧会をやろうと思う。 2004年に初めて発表して以降、現在まで様々な形で展開するこれらの作品は、接触の痕跡を露わにしたり、目には見えない存在について考えることで、認識についてや自身と世界との関係について考える作品である。 十六年前に展示した時の周りの反応は「は? なにこれ?」だったのだが、僕にとっては重要な試みなのだ。

 現在、コロナ第二波の予兆が訪れている。 見えない敵との戦いは先が見えず、本当にわからなくなってきた。 このままいけば、展覧会自体が「見えない(見れない)」ことになりかねない。 私たちの日常は変わってしまった。 おそらく、これからの世界はかつてない価値観の転換が起こるのだろう。 近い将来さえもわからなくなってきた。 一体どうなるのか。
 ぐるぐると巡るネガティブ思考のスパイラルループに陥りながら、時間も迫ってきたので展覧会について考える。 すると、はたと思い出した。 そうだ、こんなの当たり前のことじゃないか。 未来なんてわからない。 今までもそうだし、これからもそうだ。 そもそも私たちの世界は不確定要素で満ちている。 決定された世界はなく、それは私たちに与えられた可能性であるのだ。不可視とは可視であり、ただ未可視なだけなのだから。


 

《日時計(-34°)》ボール紙、写真、三角形のUVカットアクリル、額|2019

 


 

《Display of Surface》|  インスタレーション|日用品、指紋、アルミニウム粉、その他|   2004

 


《Display of surface -Exhibit on Exhibition- 》
インスタレーション|ビデオ、搬入道具、備品など、指紋、アルミニウム粉、その他|   2015

 


大﨑のぶゆき(おおさき・のぶゆき)
自身の存在を軸に世界を知覚するべく、独自の方法による描かれた絵が溶けていく映像や見えない絵画など、リアリティについて問いかけ、不確かさや曖昧な感覚を視覚化する作品を発表。近年は感覚や思考をより深め、記憶や時間概念、存在について考察する。主な個展に「ブエノスアイレス」(Gallery PARC、2019年)、「マルチプル ライティング」(YUKA TSURUNO GALLERY、2018年)、「HAMBURG ON HAMBURG」(MIKIKO SATO GALLERY、2015年/ハンブルグ)、「dimension wall」(Gallery Hosokawa、2010年)など、主なグループ展として、「アイチアートクロニクル1919-2019」(愛知県美術館、2019年)、「Noemi Weber/ Nobuyuki Osaki」(ルートヴィヒ・フォーラム・アーヘン、2017年)、「未見の星座 − つながり/発見のプラクティス−」(東京都現代美術館、2015年)、「VOCA展2013」(上野の森美術館、東京、2013年)、「キュレーターからのメッセージ2012 現代絵画のいま」(兵庫県立美術館、2012年)、「ポジション2012」(名古屋市美術館、2012年)、「Haut. Mythos und Medium」(クンストハウス、ハンブルグ、2011年)など。受賞として、2009年 第12回文化庁メディア芸術祭 審査委員会推薦作品、2013年VOCA佳作賞、2015年名古屋市芸術奨励賞、2017年「大阪市 咲やこの花賞」など


<開催概要>
大﨑のぶゆき個展 不可視とは可視であり、ただ未可視なだけ
会期|2020年8月18日(火)~ 9月5日(土)
会場|ガレリア フィナルテ
住所|愛知県名古屋市中区大須4-6-24 成田ビル上前津B1F 460-0011
電話|052-242-8684
時間|13:00~19:00
休館日|日、月
アクセス|市営地下鉄上前津駅1出口徒歩5分

※新型コロナウィルス感染症の状況により、予定を変更する場合がございます。